『・・・ということだ。』
何やら重要な話をしているようだが、重々しい空気が流れる生徒会室で生徒会長と思える人物は腕を机の上で組み、怪しい目つきでこちらを見ていた。
その風体は某新世紀ロボットアニメに出てくる司令官そのものである。
そして対峙する男は『おまえ……プロの掟を知っているか? プロは二重に仕事をひきうけないことだ……』
冷たい目線を返し、生徒会長に言葉を返す。
『ああ、たしかにそうだ。物事を見境なく安易に了承するのは愚の骨頂だ。しかし、我々には貴方のルールに従うと同時に、貴方が今受諾しているビジネスと今我々が提示したビジネスは幸いにも内容がほぼ一緒ということだ』
生徒会長はそう返すと、続けてこう言った。
『斉藤先生。いやゴルゴ先生。これは偶然の一致なのだ。そして我々には貴方の仕事を補助し、今受けている仕事と我々の依頼を完全に一致させる切り札が存在する』
そう生徒会長は言った
するとゴルゴと呼ばれる男は『あんたから、ファースト・ネームで呼ばれる筋合いはない、それに……何故おまえが知っている』
冷たい目線が更に凍り付く
『これは私の推測なのだ、だが確証を持っている。先生が現れた時期、先生から感じ取れる死神ともよべる教師とはほど遠い雰囲気、先生がこの大戦の引き金を引いた事。そして我が生徒会の人物についても調査を行っていた事。それらを勘案すれば今学園で大きな動きをしている購買部や魔人の抹殺ということに思いつく』
『、、、聡明な分析力だな。だが何故それを知って依頼をする』
男は言った、すると
『起こってしまった事態は速やかに排除し、この学園に平安をもたらすのが我々の正義だ。そして私が先生の仕事を知ってしまったという事。この意味が大きい。つまり抹殺されるのはゴメン被りたいということだよ』
そう生徒会長は言った
自身の保身ともとれる発言と、いささか乖離を感じる生徒会の今を表す言葉を訊いたゴルゴは
『…………その正義とやらはお前たちだけの正義じゃないのか?』
そう言い放った
『そうかもしれないな。正義と悪の戦いでなく正義と正義の主張こそこの世の戦いの種、だが裏で暗躍する購買部や貴方が要人として抹殺した山乃端 一人の能力もあいまって番長とのデタントはもはや不可能だ。ならこの学園に平穏をもたらすなら私は悪にでもなろう』
そう切り返した
『自らの保身ともとれる発言に疑問を持ったが、相当頭がキレる様だな。いいだろう用件をきこう』
そう返すと生徒会長は静かに、簡潔に仕事の内容を語り始めた
同時に秘密を知る二人だけの生徒会室の空気はさらに重くなり、時間だけが過ぎて行った。

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最終更新:2014年04月16日 23:23