■たたかえ蟹ちゃんシリーズ■第19話☆新たな十二獣?■


蟹「やったよ!しおりちゃん認定されたよ!」 戌「え…何の…?」 蟹「『認定証。二一〇一(さんした・いぬい)様。あなたは戦闘集団・十二獣(トゥェルビースト)として認められましたので、ビースト・ネーム“狗”を授与します』がんばろうね!」 戌「…?……!?」1

「…トゥエルブ?ビーストって何?……なんだか怖い…」得体の知れない認定を受けて怯える戌井しおり。蟹ちゃんはクローを得意気にギチギチ鳴らしながら説明した。「十二獣は、二家が誇る最強の戦闘集団だよ。私が『蟹』で、しおりちゃんが『狗』」2

「竹馬兄さんは『駒』で、さなみん姉さんは『栗鼠』だよ。『河豚』の毒ナイフ兄さんが抜けた空席に、しおりちゃんが入ったの」「でも…戦闘集団って……私…戦えないよ」まだ不安そうなしおりに、蟹ちゃんは自信満々に答えた。「大丈夫!」3

「完全無欠の記憶術と鋭い嗅覚で狙った獲物は地の果てまで追い詰める地獄の猟犬!ってアピールしておいたからね」蟹ちゃんは自分の手腕に大得意。「やめて…」しおりは真っ青になる。バシン! その時、蟹ちゃんの頭を誰かが叩いた。「こら、機密事項をペラペラ喋るな」4

「いてて。いきなりぶつなんて兄さんヒドい。もう一〇一さんは家族なんだから別にいいでしょ?」バインダーで打たれた頭を押さえながら蟹ちゃんが文句を言う。(えっ…二先生って、蟹ちゃんのお兄さんなんだ……)現れたのは二一(さんした・はじめ)。希望崎学園の教師である。5

「この認定証」一は蟹ちゃんの手から認定証を没収する。「未決定稿を勝手にプリントアウトして駄目じゃないか」「えっ、データがあったからもう決まりだと思って」「そもそも本人の意思を確認してないだろう?」「大丈夫だよ。友達だし」「……私…嫌だよ」しおりらしくないハッキリとした意思表示! 6

「えっ……あれ……?」蟹ちゃんはしばらく驚いて固まってしまったが、すぐに気を取り直した。「そう! それでいいんだよしおりちゃん! そうやって、嫌なものは嫌ってちゃんと言わなきゃね!」蟹ちゃんのサンシタ頭脳が、なんか都合のいいストーリーを完成させたようだ。7

「こんな奴だけど、これからも仲良くしてやってくれるかな?」一はしおりに笑顔で問い掛けた。「…はい」蟹ちゃんに悪意がないのはわかってるので、しおりの返事は決まっていた。「それと『十二獣』のことは他言無用だよ」引き続き笑顔だが、どこか怖い。「…は、はい」8

沈む夕日の方向に、蟹ちゃんは兄と一緒に帰って行く。「あーあ、しおりちゃんと家族になりたかったな」「だが、無理強いはいけないよ」「うん……。それじゃあ紅石ヨッシーは?」「奴の能力は使える。拒否するなら何度でも殴れ」「おっけー! まかせといて!」9

■第19話☆新たな十二獣?■ おわり



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最終更新:2014年04月19日 07:40