ちょうどその頃、リビングではそあこが「ゆるゆり」のDVDを鑑賞しており、2人の祖母・ほとも後ろでなんとなしにテレビ画面を眺めていた。
画面の中で杉浦綾乃が叫ぶ。
『罰金バッキンガムよ!』
それを見た佐賀出身のほとはこれまたなんとなく、「ガバガバがばいばあちゃん」と即興のダジャレを呟いた。瞬間、喜寿にして魔人覚醒!!
能力は『Fucking to The Gate』――彼女の女性器は時空を超え、あらゆる女性器と繋がる「門」と化した(陰門だけに)!!
『Fucking to The Gate』は自身の女性器に「門」の作用を付与する単発効果の能力らしく、彼女の股間に移ってもその機能は持続したのだ(当然、ほとの股間にあるみかどの女性器も「門」)。こうして彼女は、外出先で何か必要な物が無いのに気づいてたいがい家から送って貰える便利な膣を手に入れた。
しかし勿論、ガバマンなことは依然大きなコンプレックスで、半ば諦めながらも「二人の膣を交換できる能力」を持つ都合のいい魔人をネット等で探している。
【月室ほと】
膣を司る一族・月室家の一人でそあこ、アンネ、みかどらの祖母。77歳。「まつごのさけ」のデイサービスを受けている。夫を亡くしてからはオナニー三昧だったが、入れ替わり以後は孫に返すまで形を崩さないようにとアナニーに切り替えた。『Fucking to The Gate』もあまり使っていないが、能力の利便性は気に入っており、みかどが探す魔人が見つかった暁には
自分の女性器と入れ替える→「門」にする→返す
を繰り返すことで世の女性間にテレポーテーションネットワークを構築する野望を密かに抱いている。オムツはいらない。