ダンゲロスバーゲンセール
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ダンゲロスバーゲンセール
ja
2014-05-26T05:54:44+09:00
1401051284
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『vs乙女と恋の空騒ぎ』オ・マ・ケ
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(編註)
帰ってきた!? フラン(伊)とゴリラの大冒険!! 第X話『vs乙女と恋の空騒ぎ』
[[第一章、第二章、第四章>帰ってきた!? フラン(伊)とゴリラの大冒険!! 第X話『vs乙女と恋の空騒ぎ』]]と[[第三章>第X話・第三章 『大人と子供と親心』]]を先に読んだ方が良いのではないかなーと思います。
*『vs乙女と恋の空騒ぎ』オ・マ・ケ
**~~次回予告~~
月明かりの下で二人は再び顔をあわせた。
女海賊リズは言う。
『私はサワムラの気持ちを考えていなかった』
それは傲岸不遜に生きてきた女の心からの謝罪。
そして心からの誠意であった。
対して女格闘家静穂は言う。
『私もいきなり怒っちゃってごめん』
それは妹のように思っていた相手からの思わぬ言葉に対する不安・不信・不明。
それら胸の内の靄が見せた幻影への怒りをぶつけてしまったことへの謝罪。
『それと……ごめん』
そして心からの回答であった。
互いの心が震えあい、リズの頬を一筋の大河が濡らす時。
二人を見守る御咲の瞳に映るものとは。
次回、『向きあう心と向きあう言葉』。
戦闘と破壊の庭に、乙女の慟哭が木霊する。
**~~次回予告~~
大人に成るとは何なのか。
女海賊リズは言う。
『あのサワムラがそんな気遣いの言葉をくれるなんてな』
それはリズの真心を嬉しく思うと語る静穂に向けられた微笑。
『それがわかる私も大人になっちまったってことか』
それは昔を懐かしむ自分に向けられた苦笑。
『でも……またここに「ただいま」と言いに来ていいかな』
大人に成るとは他者との距離を保つこと。
対して女格闘家静穂は言う。
『変わったのかな。そんな気はしないんだけど』
それは己の変化を不思議に思う苦笑。
『いつでも帰ってきていいから』
そして在りし日と変わらぬ微笑。
大人に成るとは他者を受け止めること。
かつての少女達が大人の言葉を交わす時。
そこには若き少女達の姿があった。
次回、『変わる言葉と変わらぬ言葉』。
戦闘と破壊の庭に、乙女の慟哭が木霊する。
**~~次回予告~~
静穂とリズの元へ思わぬ来訪者が現れた。
触手をはやした少女は指輪を片手にリズへと歩み寄る。
2014-05-26T05:54:44+09:00
1401051284
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第X話・第三章 『大人と子供と親心』
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(編註)
帰ってきた!? フラン(伊)とゴリラの大冒険!! 第X話『vs乙女と恋の空騒ぎ』
[[第一章、第二章、第四章>帰ってきた!? フラン(伊)とゴリラの大冒険!! 第X話『vs乙女と恋の空騒ぎ』]]を先に読んだ方が良いのではないかなーと思います。
** 第三章 『大人と子供と親心』
「……ただいま」
「おかえりなさーい。――あれ? リズちゃんは?」
「……私だけ」
暗く打ち沈んだ声で帰宅を告げた静穂を出迎えたのは、積比良御咲(つみひらみさき)の明るい声だった。
いつもならこの声に他では見せない華やいだ表情を返す静穂だったが、この日は様子が違っていた。
静穂にとって特別なこの永い同居人は、そんな静穂の短く重々しい返事に、思案で眉根を寄せた。
一緒に出かけていたリズのことや買い物の話を振っても要領を得ない空返事が返るのみ。
一通りの声をかけた後、御咲は黙りこくる静穂を安心させるように笑いかけると、その背中に回ってそっと手を握ってやった。
部屋の端で長い背中を丸め、頭一つ大きな身体を縮めて座っている静穂に、背中合わせの御咲が再び声をかけたのは夕食時だった。
「食べない?」「……うん」「リズちゃんを待ってる?」「……御咲、私」
ハムエッグにウインナーが三人分。静穂がようやく口を開いたのは、食卓に並ぶ皿の湯気も弱まる頃になってのことだった。
「リズに告白された。……白いドレスを見せられて船に乗らないかって。……ずっと一緒にって」
※ ※ ※
御咲の手が小動物の背を撫でるよう繊細に動く。櫛の歯の間を豊かな緑髪が流れて、整然とした道筋を残していく。
静穂はむずがゆそうな表情で、腰まで伸びた長髪を御咲の手に委ねていた。
誰もいなくなった食卓の上には、夕食が手つかずのまま水滴の凝ったラップに包まれ、ゆっくりと温もりを失くしていた。
静穂からリズの告白のこと、それに対して静穂が取った行動を聞いた御咲は目を丸くした。
なんと言ったらよいのか、しばらく口を開けたまま硬直していた御咲だったが、静穂が再び押し黙ったのを見ると、
食器にラップを被せ、「髪の毛を梳かしてあげる」と、静穂をいざなったのだった。
「意外だったな。確かにリズちゃんは静穂ちゃんに懐いていたけど。まさかね」
「……本当はどうしたらよかっ
2014-05-18T07:35:36+09:00
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フラン(伊)とゴリラの大冒険零れ話 そして終幕 第0.5話『刻む思い、割り切れない思い』
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「チクショウメェェェー!」
「バァァァカ!」
「大っ嫌いだァァァー!」
クリスマス中止のお知らせを画策する総統閣下ばりの奇声が夜の希望崎に木霊する。
空には星が出ているものの、街灯もない地上はすでに黒一色。潮風に湿った闇に包まれている。
目を凝らしても、物言わぬ校舎や木々が、重なった影絵のように微かな輪郭を見せるのみ。
そんな漆塗りの闇夜の中に、ぼうっと浮かび上がる景色があった。
学園の片隅に設えられたバーゲン客用のオープンカフェ。
青白い鬼火がチロチロと舌を出して飛び、バチバチと火の粉を散らしてそこを照らしていた。
怪談噺の舞台としか思えない、こんな具合の様相の中。
カフェにはテーブルが一つ。イスが二つ。二人の少女が向き合って座っていた。
一人が先の奇声をあげた者、蟹ちゃん。もう一人がフランチェスコと名乗る少女、佐倉光素であった。
少女達は辺りの光景を気にすることもない。
スポットライトを浴びた舞台か、映画館のスクリーンか。
ぐるりと囲まれた影法師達の中心で、雰囲気をぶち壊す元気さの声を張りあげていた。
会話の議題はただ一つ。
周りからは至極滑稽な、当人達にとっては至上の命題を。能天気な響きに乗せて。
*フラン(伊)とゴリラの大冒険零れ話 そして終幕&br()第0.5話『刻む思い、割り切れない思い』
「【あの人】の周りにたかる害虫共は皆殺しだァーッ!」
「気持ちはわからないでもないですけれど、もう少し物騒じゃない発想はないんですか」
「知るかよォ! 全員ブッ殺してNo.1ヒロインの座は私のモノだッ!」
両手に装備した甲殻類を思わせる巨大なハサミを振り回し、蟹ちゃんは泡を飛ばしていた。
怪人然としたその姿は、鬼火飛ぶおどろおどろしい周囲の景色の中でも異彩を放っている。
再び、巨大バサミ――サイバネ☆クローがぶんと唸りをあげて振られた。
「何事も暴力で解決するのが一番なんだよォ! 【あの人】は私だけのモノだッ!」
「わかりましたから、その物騒な手をあんまり振り回さないでくださいよ」
「コロッセオを振り回してたヤツにだけは言われたくねェーッ!」
恐るべき威力を秘めたサイバネ☆クローが巻き起こす風に前髪を弄られ、
それでも光素は涼しげな顔でまあまあと蟹ちゃんを
2014-05-12T23:33:01+09:00
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フランとゴリラの応援感想 第4話『最終回』
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*フランとゴリラの応援感想 第4話『最終回』
フランとゴリラの今日の散歩は報道部室。
部員のみんながいないあいだに、放送機器をいじっちゃおう。
ピンポンパンポン~♪
「さあ本日も始まりました! 応援感想で陣営を賑やかそ―ぜ! のコーナー!」
「ウホウホ」
「ひさしぶり、ですか? はい、実は私、ちょっと神の世界というか上位次元にお邪魔していまして」
「ウホ」
「私もキャラクター設計時点からのメタ能力の持ち主でなければ危なかった……」
「ウホ!」
「迫り来る怪物! 吠え猛るミーミー! 鎖を振るう命輪ちゃん! 隙を見てラジオの続きを放送!」
「ウホウホ!」
「いやあ、皆様にもあの冒険活劇をお見せしたいところでしたよ……」
「ウッホホ……」
「はい、そんな与太話はこの辺にしまして」
「ウホ」
「あらためまして皆様こんにちは。パーソナリティは私、フランチェスコ・ロマーナーです」
「ウホウホ」
「解説にはお馴染みマタンゴリラさんをお迎えして、さあ本日も楽しくやってまいりましょう!」
「ウホ!」
「それにしてもラジオも九回目を数える今回で、いよいよこのコーナーも最終回を迎えましたね」
「ウホウホ」
「思えば沢山の応援があって、ひとつひとつを賑やかしていったものですねぇ……」
「ウホ……」
「アレとかソレとか、楽しいイラスト、素敵なSS、彩り豊かなキャンペーンでした」
「ウホウホ」
「例えば第五回目の――――えっ? そこのリスナーさんは四回目から八回目を聞き逃した?」
「ウホウホ?」
「ああ~、こちらとあちらの世界ではちょっと時空の座標に乱れがありましたし、ラジオがちゃんと流れなかったのかもですねぇ」
「ウホ」
「残念ですねぇ、皆様にも聴いてもらいたかったものですが、時空の乱れじゃ仕方ないですもんねぇ」
「ウホウホ」
「まあでもきっと、どこかにラジオの断片的なものは流れ着いていることでしょう。具体的には陣営掲示板の応援感想スレとか」
「ウッホ」
「ハイ! ということで、生徒会陣営の全ての応援に関して賑やかしをしてきたこのコーナー」
「ウホ」
「もう賑やかす応援が無いんじゃないかって、皆様そう思われました?」
「ウホウホ?」
「いえいえ、そんなことはありません! 最後に私達にとってとびっき
2014-05-06T23:20:56+09:00
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フラン(伊)とゴリラの大冒険エクストラ!!『vs蟹ちゃん:変わる未来、変わる世界』
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*フラン(伊)とゴリラの大冒険エクストラ!!『vs蟹ちゃん:変わる未来、変わる世界』
あれからもずっと、フランとゴリラはとっても仲良し。
一年プラス半年ほどの間、一緒にあちこちお散歩してきました。
「今日は特別な日ですから、『山』が見える場所にいきましょう」
「ウホウホ」
フランとゴリラが小さな山が見える公園へ行くと、蟹ちゃんが<未来視>で先回りして待っていました。
「ごきげんよう!」
「ウホウホ」
「賑やかそーぜ!」
「ウホウホ」
だけど、おやおや? 蟹ちゃんの様子がおかしいです。
「思えばあのハルマゲドンから、世界はおかしくなった気がするんだ」
蟹ちゃんは、らしくもない神妙な顔で言いました。
「……世界が夕闇に沈んでゆくのを『また』見た感想はどう?」
女良桃乃2nd。二六九。アキカン(サトリ)。大瑠璃なめ子。翼虎。赤也剛。蛇部凛子。融合式ゆうこ。
長月メルデサム。紅井黄泉路。G・タカクラ。原舞人。レオナ・ブラテッシェ。エルネスタ・クリンゲ。
リア・ベツァオバーン。パウリーネ・フルスクレープス。そして、『汚い金持ち』金光不動。
多くの死者を出したハルマゲドン。でもそれはまだ、破滅の始まりでした。
新型ウイルスによる悪疫、通称『新黒死病』で人類の多くが死に、世界は陰鬱な夕闇に覆われたのです。
蟹ちゃんが戦いの果てに選んだ世界は、そんな結末でいいのでしょうか。
フランとゴリラが賑やかそうと思った世界は、そんな結末でいいのでしょうか。
「蟹ちゃんから九鈴さんの様子を聞いた感じでは、こっちは『平和な方の世界』だと思ったんですけど」
「ウホウホ」
「いつの間にか私の世界に繋がってしまったみたいですね」
「ウホ……」
「視えたのは、これからここでとてつもない何かが起きること。でも、それが何なのか良くわからない」
すべてを見通す<未来視>ですが、視ようと思った物しか視えないし、理解の及ばないことは解りません。
だから、それを確かめるために蟹ちゃんは、こうしてやってきたのです。
「もうすぐ始まりますよ」
「ウホウホ」
「とびっきりの、最高の、とってもハラショーな奇跡ですよ!」
「ウホホウッホ!」
ゴリラは焼け焦げた、小さな紙切れを取り出し、暗い空に掲げました。
今は亡き原生徒会長
2014-04-28T06:08:21+09:00
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たたかえ蟹ちゃん☆エクストラターン
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*■パルプ王女vsマジカニア元老院■
「姫様、まずは『超戦闘野球機蟹ハイパー・ドラッガー』とやらの必要性について説明いただけますかな」「人類滅亡の回避には大きな擾乱を与える必要があり、特に斉藤様の覚醒には巨大兵装が必須でした。また、封洞様への売却により投資の大半は回収されています」「ふむ、よいでしょう」→
→「では『ご奉仕スペシャル☆ユニット』とは何でしょうな?」「ひゃわっ、そっ、それは……優秀な遺伝子確保に必要、な……///」「もう少し詳しく願います」「やめろっ!セクハラだぞ!」親パルピューラ派の民選議員から怒声と魔法弾が飛ぶ!元老院はカウンターで打ち消す!議会紛糾!
■パルプvs元老院■ おわり
*■蟹ちゃんvsまりも■
“二〇禾予”と改名し両腕をサイバネ化しても、静穂と瑠璃奈は変わらず友達でいてくれた。「ねえ蟹ちゃん、前から気になってたんだけど……」「あれってリミラヴだよね?」蟹ちゃんの近くで時々見かける謎の浮遊球体。通称“まりも”。「そうだよ。えいっ!」クローでまりもを破壊!→
→まりもの中から[F]と書かれたパネルが出現。回収すると『フレイム・フリンガー!』どこからともなくアナウンスが響き、蟹ちゃんのクローが火遁放射タイプに換装された!「こんな風に装備を届けてくれたり、色々支援してくれるんだよ」「びっくりした……」「リミラヴ殺したかと思ったよ!」
■蟹ちゃんvsまりも■ おわり
*■蟹ちゃんと天奈会長■
妃芽薗中等部寮の自室に向かっていた蟹ちゃんは、夜間無断外出を見咎めた高等部生徒会長の天奈瑞に成敗された。「自分の技を受けて、少しは気高かった頃を思い出したかい?」「けッ、弱かった自分なんて忘れたぜ。……でも、無断外出はもうしませんゴメンナサイ(嘘)」→
「そう言えば会長、希望崎でアイツっぽいの見たよ」「誰だい?」「アイツだよ、アイツ。えーと……忘れた」「なんだそれ」「ほら、なんだっけ、ガッツポーズでDPが入る奴」「!!」まさか、奴が蘇ったというのか? 瑞は慰霊廟に足を運び、天国の仲間に祈った。悲劇が再び繰り返されぬようにと……。
■蟹ちゃんと天奈会長■ おわり
*■真木ハルコvs戌井しおり■
しおりを訪ねて図書室に来た蟹ちゃんは“真木ハルコ”と名乗った。サイバネ☆クローはつけてな
2014-04-27T17:10:42+09:00
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フランとゴリラの応援感想 第3話『四日目』
https://w.atwiki.jp/bargain/pages/186.html
*フランとゴリラの応援感想 第3話『四日目』
フランとゴリラの今日の散歩は報道部室。
部員のみんながいないあいだに、放送機器をいじっちゃおう。
ピンポンパンポン~♪
「さあ本日も始まりました! 応援感想で陣営を賑やかそ―ぜ! のコーナー!」
「ウホウホ」
「あらためまして皆様こんにちは。パーソナリティは私、フランチェスコ・ロマーナーです」
「ウホウホ」
「解説にはお馴染みマタンゴリラさんをお迎えして、さあ本日も楽しくやってまいりましょう!」
「ウホ!」
&ref(BkACuXfCAAAt313.png,生徒会イラスト,http://cdn61.atwikiimg.com/bargain/?cmd=upload&act=open&pageid=180&file=BkACuXfCAAAt313.png,height=300)
「それでは早速、バーゲン生徒会応援スレの >>16 雨天ウコッケイさんより『融合式ゆうこさん!』」
「ウホウホ」
「こちらはイラストラジオのお題を追って投下されたものでしょうか。さてさて……おおー!」
「ウホ」
「ゼンマイ仕掛けのメイドさんと来ましたか! ロングスカートに手の置き方、閉じられた目が清楚な感じですねぇ」
「ウホ!」
「そして右下のハンドサインが……ギャップですね! くわって! キャラクター設定をこんな形で絵に表現するなんて!」
「ウホウホ!」
「絵で観て楽しい、発想に笑って嬉しい、とても美味しい応援です!」
「ウッホ!」
「さて、本日はゲストとして命輪紡さんにお越しいただいております。命輪ちゃんはこの応援をどうご覧になりますか?」
「あらぁ、どうもこんにちは~。そうねぇ、とっても可愛いし、瞑目した佇まいなんて珍しいところが素敵ねぇ」
「そうですね! とっても可愛いです!」
「ウホウホ」
「できればあと1点くらい攻撃力が高ければ最高だったんだけどね~」
「それは応援イラストの内容でなくて命輪ちゃんの好みの問題ですよね」
「あらあら~」
「ウホウホ!」
「はい! それでは次にまいりましょう!」
「続いてはバーゲン生徒会応援スレの >>17-18 かぜさんより、ついに来ました応援SSです!」
「ウホウホ」
「生徒会陣営でまさかの全滅コンボ成立となった『
2014-04-27T14:14:12+09:00
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第11話☆夕闇の救世主
https://w.atwiki.jp/bargain/pages/185.html
*■たたかえ蟹ちゃんシリーズ■第11話☆夕闇の救世主■
機体側面に「WL」のマークが塗装された中型ヘリコプターが、廃校となった小学校の校庭で乗客を待っている。『新黒死病ウィルス』の蔓延によって、僅か一年の間に全人類の三割が命を落とした。このヘリを所有する、ホエールラボラトリ社はパンデミックの中で急速に成長した製薬会社である。1
WL社は、世界最強の存在を決める異能者達の武闘会「ザ・キングオブトワイライト ~夕闇の覇者~」の主要スポンサーのひとつである。ヘリが待っていた少女が姿を現した。年齢、11歳。身長、123.3cm。体重、25.6kg。名前、高島平四葉。大会参加選手だ。2
この可愛らしい小学生が、いかに危険な存在であるかはいずれ明らかになろう。WL社は、敢えて危険な高島平四葉を大会に受け入れ、邪悪な目的に利用しようとしていた。そして四葉は、WL社を利用して夢を叶えようと企んでいた。四葉の夢は、世界征服。3
「そう上手くは行かねェぜ。クソガキの夢は叶わず、若い命を惨めに散らしましたとさ。悲しいねェー」いつの間にかヘリの上に、怪しげな少女が立っていた。その両腕には巨大なサイバネの鋏。「酷たらしく死んでもらうぜ、高島平四葉ァー! これ以上人類が減っちまうと困るからなァ!」4
サイバネ少女はヘリの上から跳躍し、四葉の背よりも巨大な鋏を振り下ろす。四葉は機敏に横っ飛びで避け、空を切った鋏は大地にクレーター跡を刻む。「チィッ! 素早いガキだ!」くるりと横回転して着地する四葉。「へぇー。すごい武器だね。いただき!」5
「モア!」能力発動! 四葉の手に、サイバネ少女よりも更に一回り巨大なサイバネの爪が現れる!『モア』は、敵の武器をより強化した姿で手に入れる能力である! しかし!「うわっ、重っ!」小学生の筋力では保持できず、ズシリと地面に取り落とした……。6
「ヒャハハハーッ! 馬鹿がァーッ! そもそもサイバネ神経接続手術をしなければクローは制御できない! 地獄に着いたら『私が馬鹿でした』と反省文を百万回書くんだなァ! 死ねェーッ!」襲いかかる赤熱したクロー!「ギャウンッ!」超巨大サイバネ腕の直撃を受けて少女が吹き飛ぶ! 7
「ゲボッ、何が……起きた!?」サイバネ少女は想定外の大質量打撃を受けて意識が混乱している。四葉はクローを紙一
2014-06-14T09:51:16+09:00
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アンダースリー
https://w.atwiki.jp/bargain/pages/184.html
*アンダースリー
二家(さんしたけ)――サンシタ率99%超の魔人サンシタ一族。
100%に達しないのは私がいるからだ。
「〇二八一様がいらっしゃったぞー!!」
「うおおーーっ!」
「おーっぱい! おーっぱい!」
朝、送迎のリムジンから私が姿を現すと、校門前で待っていた男子達が出迎える。
「鞄、お持ちします!」
「ありがとう」
親衛隊長を自称する男がいつものように申し出る。入学初日に結成されたらしい親衛隊は鬱陶しいけれど、学園生活では色々と便利だ。
親衛隊を引き連れて廊下を歩くと、先方にいた生徒達がさっと道を開けた。
ボタン3つ開けたフリルブラウスの襟元からは豊満な谷間が覗いている。
サンシタ一族と一括りにされるのは嫌だけれど、私に含み針や鉤爪に当たる武器があるとすれば、やはりこの双丘だろう(無論私は脚もお尻も魅力たっぷりだけれど)。しかし彼らと違って隠したり欺いたりしない。堂々と見せつける。
男子は前かがみで頭を垂れ、女子達(雑魚共)は妬まし気な視線を送る。心地いい。これこそ女王の歩み。
「あら……?」
「あ~っ! 〇二八一さん、おはようございますぅ」
前方から女子生徒が一人、男子生徒を後ろに従えて歩いてくる。そこだけ見ると私達に似ているかも知れないが、実態はまるで違った。
先導する少女は佐亜倉ひめ。とある事情から知り合った二年生で、可愛いと言えば可愛い容貌をしている。毛先のゆるくカールした長い黒髪にカチューシャ。三つ折のソックス。私が女王なら、彼女は野暮ったい、辺境の、最貧国のお姫様というところだろうか。
引き連れているのは教室の隅で深夜アニメの話とかしていそうなイカ臭い男子生徒達(私の親衛隊は多くが運動部の部長やレギュラーである)。
「〇二八一さん、胸、また少し大きくなったんじゃないですか~?
僕、ちっちゃいから羨ましいですぅ」
「ええ。でも、胸大きいと可愛い下着とかあまり無いから、時々佐亜倉さんみたいなコが羨ましいわぁ(勿論下着はオーダーメイドだ)」
「ひめちゃんはそんなとこまで含めて控え目なのが魅力だよ」と後ろの男子がキモい慰め方をする。この手の人種は 性欲が強い割にセックスアピールの強い異性を嫌う気持ち悪い性質があるので、女体の美を体現する私より彼女のようなタイプに惹かれる
2014-04-24T21:55:35+09:00
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帰ってきた!? フラン(伊)とゴリラの大冒険!! 第X話『vs乙女と恋の空騒ぎ』
https://w.atwiki.jp/bargain/pages/183.html
**第一章 『海賊の言葉、少女の言葉』
「バルゲン――やあ、邪魔してるよ」
「こいつァリズさん! ほう! 今日は素敵なご婦人も一緒ですかい。ようこそようこそバーゲンへ!」
「ああ。こちらの女性に似合う服を探しているんだ」
中東風の服装に身を包んだ男が物陰から顔を覗かせ、恰幅の良い腹を揺すって上機嫌に笑った。
笑い声に、先に男へ挨拶をした女――長い手足を惜しみなく日に晒す軽装の女も豪放な笑顔で応えた。
大の大人の男でも見上げる程の体格と併せ、女の笑顔は満面から力強さが滲み出ているかのようである。
打ちっぱなしのコンクリートに直接敷かれたブルーシートは我が物顔のガラクタに占拠されている。
所々に立てられたハンガーラックには時代も世代もごちゃ混ぜになった服がぎゅうぎゅうと掛かっている。
男達のいる購買部の前に用意された空間は、普段の閑散が嘘のような蚤の市となっていた。
女海賊リズとその連れ――女海賊を上回るくらい長身の人物が訪れたのは希望崎学園購買部。
筆記用具や昼食を買いに学生達が細々と、時に騒々しく通うその場所は、近頃、
世界中の奇品・珍品を扱う『死の商人』バルゲン・セラーによるビッグ・バーゲンの開催場となっていた。
※ ※ ※
「こっちの縦縞セーターなんてどう?」
「うーん、どうかな」
「編み物なんて普段はなかなか着れないんじゃないか?」
リズが次々と華美な服を取っては連れの身体に当て、ふんふんとしたり顔で頷く。
着せ替え人形もかくやという状況にある女海賊の連れは、軽く返事と微笑を返す。
リズより一回り年上であろうに、その人物の所作は颯々として若々しい。
何でも揃うビッグ・バーゲンの片隅にある『両手を拘束された女性用服』のコーナーで、
リズに連れられてきた佐和村静穂(さわむら しずほ)は満更でもない表情をみせていた。
身体的特徴から、静穂は自分の衣服を外で買うという経験がほとんどなかった。
「これ! 情熱的なドレス! これどうかな? サワムラのスタイルなら映えるんじゃない?」
「着ない」
静穂は微笑んだ。自分をお洒落に着飾らせたいと買い物に連れだしたリズの気持ちが嬉しかった。
※ ※ ※
「それで……さ。ツミヒラに留守番を頼んできたのは、話が……話が、ね。うん、私、サワ
2014-04-24T19:58:09+09:00
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