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こちらのページでは、楽曲担当、田辺文雄氏のインタビュー記事についてまとめています。

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◆楽曲担当、田辺文雄氏のインタビュー記事


チョロQシリーズの
チョロQ、チョロQ2、チョロQ3、チョロQワンダフォー、チョロQHG2、チョロQHG3
の楽曲提供やサウンドクリエーターを手がけていらっしゃるバンド「PinkSardine」のバンドマスターである
BUNこと田辺 文雄(Fumio Tanabe)氏に聞いたチョロQゲームのQ&AをBBSとブログよりまとめてみました。

Q.ふと気になったんですが、pink sardineのみなさんは自分達の曲が収録されているチョロQをプレイしたことがあるんですか??
田辺文雄氏:
もちろん頂いた関係者用のチョロQはメンバー全員全て持ってますよ。
あたしなんかはゲームはその頂いたチョロQと闘神伝シリーズしか持ってませんが(笑)。
とにかくゲームの場合は、ちゃんと音がなるかをデバックと言って死ぬほどプレイして検証しなきゃなりません。
かなり上手かったですよ、あたし。

Q.スタッフロールのラジオ欄にBUNさんの名前が載ってましたがピーチFMの声ってすべてピンクサーディンさんの声なんでしょうか?
田辺文雄氏:
そのとおり、ラジオの声は全てPinkSardineのオリジナルメンバーです。もちろん、あたしもしゃべってますよ。
そして、PinkSardine以外のゲーム全部の楽曲を提供したのもあたしなんです。
なお、チョロQのラジオではPinkSardineの曲を16KHz(ファイルでは12KHz)まで落としてます。

Q.ラジオを聞いていてわかったのですが、もしかして結構アドリブとか入ってません?
田辺文雄氏:
ラジオ、その通りです。ほとんどは台本などは無く、アドリブです。
沢山録音してよいものを編集してます。あそこまで自由にやらせてくれたメーカーには感謝ですね。

Q.レース中やOPのMIDI部分はE-GAMEのスタッフだと思いますがどうなんですか?
田辺文雄氏:
ワンダフォーから、HG2、HG3は僕一人です。レース中やOPの曲も、そしてなんとエンジン音や効果音も僕一人です。
あのゲームはすべてが僕のソロアルバムのようなものかもしれません。
また、残念ながら曲名は存在せず、製作中は「#1」とかコード名で判別してました。

Q.チョロQ1~3のBGMの中で、BUNさんが作曲担当した曲はどの曲なのか教えてくれませんか?
田辺文雄氏:
チョロQ1は、確かトンネルのテーマともう一つ以外はあたしの楽曲です。くねくねとか、他のもあたし。
チョロQ2も、同じような位かな。ほとんどあたし、と言ってもいいかな。
チョロQ3になると、優秀な後輩に楽曲提供をやってもらいあたしは他の仕事をしてましたので、2曲ほどだけ。

Q.チョロQシリーズや闘神伝シリーズ等のタムソフトさんの作品に、田辺さんのお名前がでてきますが、そちらに所属されているのでしょうか?
田辺文雄氏:
はいタムソフトに所属してました。
今は違います。闘神伝シリーズからチョロQまで名前がクレジットされていたかと思います。
その後、チョロQ専門のEゲームに移ってます。

Q.チョロQなどのBGMは、どうやって作曲なさっているのですか?
田辺文雄氏:
BGMは基本的にDTMソフトを使用してます。
ドラムからシンセまでいわゆる「打ち込み」ですが出来るだけ人間が演奏しているようにしてます。
エレキギター他、弦楽器は私が手で弾いてます。

Q.チョロQワンダフォー!のサウンドトラックに登場する楽曲名は、どなたが考案なさったのですか?
また、CDプレイヤーで試聴できる、P.P.PANICさんの歌の楽曲名は何ですか?
ネットでは、「ピエロ」と書いてあるのをよく目にします。ですが、本当にそういう曲名なのでしょうか?
田辺文雄氏:
ワンダフォーのサウンドトラックの曲名は全て私が考えてます。
またP.P.PANICは現PinkSardineの前身で、ヴォーカルも違いますが曲名は「ピエロ」で合ってますよ。

Q.楽曲を作曲するときは、田辺さんがこういうイメージの曲がいいな、
とかサーキットならこういうイメージかな、という風に先に作曲されるのか、
それとも、ゲームのスタッフさんに、「お城のコースを作りますんで、 そういうイメージの楽曲をお願いします」
といった具合に打ち合わせがあってから、作曲なさるんですか?
田辺文雄氏:
両方です。タムソフトでは、週に1曲、多い時で3曲作ってましたが、それは曲を溜める為で、その中から企画にあったものを載せてました。
イーゲームでは、本当に好きなようにやらせて頂きました。
レースゲームでジャズやバラードは、完全に自分の好みでやってましたね。
また、最初のチョロQからHG2まで全部コースを見て情感から作った曲達です。

Q.チョロQ3などで、田辺さんのほかに、
梅垣ルナさん、中野泰宏さん、本山明燮さん、石村睦さん、
などの作曲陣の方々がいらっしゃいますが、
例えば田辺さんが作曲された楽曲を、ほかの方が編曲をされたりはするんですか?
田辺文雄氏:
懐かしい名前ですね。
彼等が作曲した曲に私のギターをかぶせて、というのも何曲かあったと思います。
基本的にアレンジは作曲者がやってました。
最初は中野さんと私だけでしたが、後から有能な彼等が入ってきてタムソフトは盛り上がったと思ってます。

Q.1つのゲームで大体どれくらいの数を作曲するのですか?
田辺文雄氏:
そうですね、だいたい100曲程作ることもあります。
E-GAMEでは自由にやらせて頂いてました。
ほとんど曲調の注文はありませんでしたし、本当に「好きにやって」という感じです。

Q.もし、チョロQの最新作がでるとしたら、原点に戻って、開発も作曲も田辺さん等含め、タムソフトさんに作っていただきたいです。
田辺文雄氏:
そうですね、ぜひやりたいですね。
その時は、我がバンドPinkSardineの楽曲もふんだんに使い更に良い音楽性を示せると思います。
また、当時の同僚、後輩達もあれからの時間を経て更にパワーアップしているでしょうから
その切磋琢磨で、当時とは比べ物にならない程素晴らしいタイトルになるのでは、と思います。

Q.チョロQ1、2、3、ワンダフォー!、HG2、HG3のうち、
特にコースのイメージなしでお作りになられた作品と、
スタッフさんにコースのご説明をされてから楽曲をお作りになられた作品、ご記憶にございましたら教えて下さい。
田辺文雄氏:
チョロQ1,2,3はタムソフト時代なので絵コンテのようなものを見て制作してます。
ワンダフォーからは、世界観から企画会議に入ってました。
タム時代は企画先行の楽曲、イーゲーム時代では私の好きなように制作し、そのまま採用されてました。

Q.タムソフトさんとイーゲームさんの作品に登場する楽曲の、楽器の音源が違うのは、
やはりメーカーさん又は使用されている作曲用ソフトが違うからですか?
田辺文雄氏:
大きな違いはタムソフト時代はDA音源。
つまりCDと同じ再生方法で曲を流してましたがイーゲームではPSの内蔵音源を鳴らしてます。
ラジオのみ特殊な方法を使い、CDの音を鳴らしているので生演奏の曲はPinkSardineだけ、となります。

特に選んだわけではないのですが、イーゲームからは巨大な街で読み込みが増えたので、
そのような音楽の再生方法になったのではないかと思います。

タムソフトでは、ちゃんとしたレコーディングスタジオで全ての音を録音してました。

Q.ワンダフォー!の「コスモスピード」は本当に最高の楽曲です。
またHG2で、コスモスピードが復活したのは、田辺さんの意志ですか?
田辺文雄氏:
コスモスピードは、最終コースのテーマというオーダーを受けての作曲だったと記憶してます。
HG2でアレンジを変えて復活させたのは私のアイディアです。
ちょっとしたいたずらです。気が付く人が居ればいいなぁ、と。

Q.ワンダフォー!のブラックシティコース(runaway)、ゴールドシティ(リンゴ)、
HG2のフォレスト大統領決闘BGM(コスモスピードのアレンジ)、HG3のディスコキングケイブ(DiscoKingCave)などの楽曲の冒頭部分に聴こえる、
「ギンッ!」という迫力のある楽器名を3年間ほど探し続けていたのですが、「オーケストラル・ヒット」という楽器名で間違いないでしょうか?
田辺文雄氏:
その通りです。オケヒッツです。

Q.田辺さんの好きな楽器をお好きなだけお書き下さい。
お好きなドラムセットやパーカッションもお願いします。
田辺文雄氏:
正直どれも好きです。
お休みの日に家にいてTVを見てるとたまに番組の中でチョロQの曲が使われていたりするととても嬉しく思います。

一番思い出深いのはチョロQファースト(かな?)の
クネクネ峠(?)の曲でしょうか。
情熱たっぷりでクサさ加減が今でも懐かしく感じます。

Q.チョロQのBGMに使われているギターのアンプやエフェクターは何ですか
田辺文雄氏:
チョロQシリーズで使用していたギターはもうたぶん
曲ごとに違うかもしれませんが、歪み系はギブソン・レスポールで
カッティングはフェンダーのストラト。

アンプはサンズアンプで、エフェクターは使ってません。
ミキサー側で軽くかけているだけです。

ちなみに本番レコーディングで9800円のエレキギターを使った事がありますが
誰にも気付かれませんでした(笑)。

Q.チョロQHG3で「ギター」を乗っけているチョロQが登場するのですが、
そのキャラクター名は「ブンタ」といいます。
ギターとブンタ・・・。これはもしかしてE-GAMEのスタッフさんが田辺さんを
イメージして作られたのでは・・・?
田辺文雄氏:
懐かしいですね。
ブンタ、その通り(笑)。

Q.田辺さんがE-GAME移籍後にタムソフトが「THEレース」というチョロQシリーズによく似たゲームを製作されていますが、
この作品は田辺さんは製作に携わっていらっしゃってはないですよね?
田辺文雄氏:
残念ながらEゲームに移籍した後のタムソフトはわかりません。

Q.スタッフロールを見て気付いたのですが、
もしかしてE-GAMEさんは、
タムソフトさんのチョロQ専門チームとして設立されたのでしょうか。
田辺文雄氏:
いや、そういうわけでは無いのですがたまたまそうなっただけですよ。

Q.レースゲームなのにさまざまなジャンルの楽曲が利用されていますね。
田辺文雄氏:
はい。色んな音楽を一枚のアルバムで楽しんで頂きたくて。
もっとも、チョロQの後期ではレースゲームなのにJazzやブルースの要素を沢山入れてましたからね。

Q.海外版が発売されるときに、スタッフさんが田辺さんにそのような話をされたりとかはしたのでしょうか?
田辺文雄氏:
ありませんでした。この時はすでにゲーム業界の仕事は受けておらず。

Q."Pink Sardine" の楽曲が海外版でも使用されなかったのは、権利上の問題なのでしょうか?
田辺文雄氏:
これについても判断は出来ませんがPinkSardineは日本語ですからね。

Q.当時の"P.P.Panic"のメンバー名をお訊きしたいです。
田辺文雄氏:
ボーカル以外はPinkSardineです。もちろんギターも全編あたくしですよ。
作詞作曲もPinkSardineと同じ、あたしも作るし当時のBass Ryuも作ってました。

Q.チョロQワンダフォー!の音楽CDに収録されている"P.P.Panic" の「ピエロ」についての質問です。
あの歌は、いつ作られた歌なのですか?
田辺文雄氏:
PinkSardineとなる直前ですね。
チョロQで使われる直前です。

Q.収録された理由は何ですか?
田辺文雄氏:
CDDAの部分に何を入れるか。
ゲーム中の曲じゃ意味ないし、っていう事で自分のバンドのを入れちゃおうっ!と。
きっかけはそんなものです。

Q.チョロQワンダフォー!オリジナルサウンドトラックなど、
ゲーム以外のCDに「ピエロ」が収録されていたりとかはしてないですか?
田辺文雄氏:
ありません。
唯一あのゲームだけです。

Q.チョロQワンダフォー!OSTのBGMの曲名についてですが、
ゲーム内イメージとは違う楽曲名が利用されていますが、
何故そういった曲名になったのですか?
田辺文雄氏:
"Twenty-sixth Ruby"はその当時、あたくしが愛用していた時計が26石だったんですね。
機械式の時計では、人工ルビーを耐摩耗材として使うんです。

他の曲も、あの当時はサントラを出すという話が急に決まってしまい、慌てて付けたものもあります。
バンドの曲と違い、大変な数の曲を作りますので、曲の名前は考えて作ってなかったというのが正直なところです。

Q.チョロQHG3に、ギタリストの「ブンタ」、キーボーディストの「ソウザ」,ベーシストの「リュウム」、ドラマーの「ゴンズ」というキャラクターが登場します。
ボディの色は、ピンクとシルバーです。
これは、もはや"Pink Sardine"さんのメンバー、
"Bun"さん,"Souko"さん, "Ryu"さん, "Gonske"さんから取られた名前だとしか言いようがありません(笑)!
田辺文雄氏:
ブンタとか、クルマの名前はもうお察しの通り。
そういう遊び心とか、あたしも企画に入れたのでかなりいたずらは沢山入ってます。
チョロQワンダフォーの音当て峠、なんかはあたしのアイディアでした。

Q.それらのキャラクターの車種とセリフは、どなたが決められたのでしょうか?
それとも、プログラマーさんがお決めになったのでしょうか?
田辺文雄氏:
セリフはもう企画ですからね、あたしではありません。

Q.チョロQHG3独特のあの、バンドメンバーを集めてライブハウスで演奏するといシステムは、
やはり開発者様側で生まれたアイディアですか?
それとも、バンドということあって、Pink Sardineさん達が、「こういうのをやってみたらどうでしょうか。」
という風なことをおっしゃられたりということはなかったのでしょうか?
田辺文雄氏:
これも企画会議という雑談の中で盛り上がったもので、
あたしも何とかあのゲームをバンドのプロモーションに使えないかと模索してました。

Q.チョロQワンダフォー!,HG2,HG3では、田辺さんがお一人で作曲&効果音を担当されていますが、
効果音も作曲と同様、作曲ソフトで作っているわけですか?
田辺文雄氏:
曲はWindows版のDTMソフトです。
効果音はWaveLabの波形シュミレーターでした。
アナログシンセ、Moog等も使ってます。

Q.作曲と同様に、効果音も「メニューの選択音」「メニューの決定音」
「アイテム入手音」「賞金獲得音」などというように、やはり何に使われるための効果音か,などの注文がありましたでしょうか?
田辺文雄氏:
大方の効果音は企画に入っており何がどの場面で必要かというリストがあります。
自分でも悩む時はいくつか作って選びます。

Q.クラクションなどのコミカルな音色(ブタさんホーン、カエルホーン、アヒルホーン、モーモーホーン、パオーホーン、カラスホーン、ドルフィンホーン)などの動物の鳴き声は、どうやって収録されているのでしょうか?
田辺さんが動物の声を録音されている、なんてことは無論考えられないので(笑)。
また、エレキホーン、チャイナホーン(銅鑼の音色)、シップホーン(船の汽笛)などは、それぞれ,エレキギターで演奏したものを録音できますし、
銅鑼のサウンドも、DTMには収録されていますでしょうが、ここでは船の汽笛はどうなのか気になります。
田辺文雄氏:
著作権の無い業務用音源があります。
でもそれをただそのまま使うのもプライドが許さないのである程度のFXやイコライジングで別な音のようにして使います。

Q.チョロQHG2、『ゲストでQ』というラジオ番組の台詞「女の怨念です。爪痕」とありますが、
「女の怨念」はどういった曲なんですか?
田辺文雄氏:
女の怨念は『爪痕』のキャッチコピーです。

Q.HG2の番組名にも、ブログのURLにも出てきますが、
ジャージーFlat5のFlat5は何か思い入れがあるんですか?
田辺文雄氏:
また凄いとこに気付きましたね(^^)
flat5には思い入れがあります。

恐らくですがゲーム音楽にこれほどflat5thを多用したのは
あたしだけ、だと思います。

これは音楽理論の話で、ロックスケール(マイナーペンタトニック)の元は
ブルーノートスケールなんですね。

そのブルーノートスケールはルートの音、Cならばドの5度上の
Gつまりソの音を半音下げ、いきなりブルージーになります。

どんな音楽でもこのマイナーペンタトニックの5度の音を
半音下げるとジャズやブルースのような気だるい感じになります。


田辺文雄氏:
最後に。チョロQファンの皆さんには本当に感謝してます。
他にもレースゲームは沢山あるけれど、あのゲームには
あの中にしかない世界観があって、実は私自身は
ゲームをほとんどやらない人なので、先入観も無く
制作する事が出来たと思います。

闘神伝もチョロQも純粋に良い曲が作りたい、という
思いで制作してました。



得之弦外(田辺文雄氏ブログ)
http://flat5.at.webry.info/


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最終更新:2023年02月22日 01:38