ブラックジャックさゆみん

 

続きのように見えて全然別モノです


工藤と聖が道重家の重たい戸を開けると、そこには黒いスーツを着込んだ道重と
小さい女の子(ヤシ子)がいた。
「なんだね、やぶからぼうに」
いきなり家に飛び込まれた道重はあからさまに不機嫌だ。
「道重さん。実はかくかくしかじかで」
聖が必死にことのなりゆきを話すが、道重は工藤をジッと眺めている。
「道重さん、話きいてます?」
「もちろんだ」工藤から視線をそらさず適当に道重が答える。
その視線に耐え切れずに工藤は道重の横にちょこんと座っている女の子を見やった。
「道重・・・さん、この子は?」
「ヤシ子だ。助手をやってくれている」
紹介されるとヤシ子はココヤシ、と挨拶した。


「マサキ・・・といったな。この少女を助けたいと?よろしい。ならば3000万円だ」
「さ、三千まんえん!?」
もちろん無料だとは思ってなかったが、道重の口から飛び出した途方もない金額に工藤は絶句した。
そんな工藤に、道重はたたみかける。
「親友の命だろう?私なら安いと思うがね、フフフ・・・」
無理だ。こっちに逃げ込んできたばかりで、そんなお金があるわけがない。
そんな工藤をニヤニヤしながらひとしきり眺めたあと、道重が口を開いた。
「イヤなら体で払ってもらっても構わんのだがね、お前さんは美人だし・・・」
道重の視線がますます熱を帯び、完全に工藤を捕らえた。
「聖、どうしよう」
工藤はここまで連れてきてくれた聖に助けを求めた。
聖はお金持ちだ。もしかしたら融通してくれるかもしれない。
「仕方ありませんね・・・・」
聖は脇にかかえていたトートバッグに手を入れた。
工藤は思わずぉぉ、と声をあげる。
すごい。常にカバンの中にキャッシュを持ち歩いてるなんて。どれだけお金持ちなんだ。
でもこの借りは聖に絶対に返さなければならない。工藤がそう考えていると。
「じゃ~~ん」
バッグから引き抜かれた聖の手にはバイブが握られていた。


バイブで強引に攻められる工藤。
ここ数日、命の危険に身を置いたからか、感度はバツグンだ。
「ん、はあっ、はあっ、あっ!」
シパパパパッパァ
あえぐ工藤を見て、道重が満足そうに頷く。
「この嬌声(ことば)が聞きたかった!いくぞヤシ子!オペ開始だ!」
「アッチョンメランテ」
押し寄せる快感と恐怖の中、工藤は悟ったのだった。
「大魔道士は人の体は治せても、ゆがんだ心までは治せない」と。


おしまい

(5スレ 298-300)

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最終更新:2014年01月15日 23:35