もしもまーちゃんがベジータだったら

 

「まだいんのかよ…」
遥は軽くねじ伏せられると思い、再び歩き出した。
その腕を優樹が掴み、止まらせる。
「どぅー、待ていっ!!!」

不意に辺りに風が巻き起こった。
戦闘態勢をとった里保から発せられた魔力に
一瞬、蝉も夏虫も鳥も声を潜める。
その魔力を感じ取った遥は、始めて優樹の様子の訳を知った。

「ま、まーちゃん あいつの戦闘力はいくつ!?」
「8000以上だ」
「8000以上!?それって間違いじゃね?」

遥は舌打ちして、改めて魔力を練り上げ、攻撃の態勢に入った。
入る、そう思った遥の攻撃は あっけなく里保の傍らの空を切った。
体勢を崩しながら、里保はカウンターの炎を纏った拳を繰り出し
それが遥の腹部を的確にとらえる。
衝撃に浮き上がった身体が一瞬炎に包まれ、遥に残る全ての魔力が焼き尽くされ、消えた
意識が薄れた遥は、ガクリと身体を崩し
そこにあった里保の身体にもたれ掛かる体勢になる。

意識の最後にちらりと見た優樹は、まださっきの同じ場所で佇んでいた。

「うごけないどぅーなど必要ない!!!」
その言葉を聞いた遥の意識がすっと遠のき、閉じた。

 

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2014年02月05日 14:21
添付ファイル