冷戦のゆくえ

 

決勝の相手は……石田亜佑美ちゃん。

年齢はうちより上だけど、背もちっちゃくて可愛らしい娘。
でもこれまでの試合では、ほんの数分で相手を傷つけることもなく、
不戦勝同然で勝ち上がってきたらしいから、一体どんな魔法を使うのか油断大敵か。

「あなたがその歳にして執行魔道士になった鞘師さんね!
相手にとって不足なし! 最初から全力でいきますよ!!」

は、速い!

「♪変なお~じさんだから変なお~じさん……」

ちょっとなにこの変な動き、人をバカにしてるの!?
こんな、神聖な魔法競技会の場を汚すようなことをするだなんて、
あーもうやってられない、このまま勝負も何も投げ出して……ってちょっと待って!?

なんなんだこの危険な踊りは! 怒りのあまり思わず試合放棄するところだった!

「流石ですね鞘師さん! 
これまでの相手はこの『高速変なおじさん』のあまりのキレに、
みんな実力差を痛感してすぐに負けを認めていったんですけどね!」

えっと……。なんか勘違いしてるけど、実際恐ろしい魔法(?)なのは確か。
さっきから心を乱されまくりでうまく魔力を練れなくて、
このままじゃ実力の半分も発揮できるかどうかわからない。

「でも、これで決めますよ! 私の最終奥義!!」

今度は一体なにをするというの!?


「だっふんだ!!!!」

さぶっ!! というか本当に一気に寒くなってきてる!?
これはもしかして吹雪の魔法か!
こういう時こそ炎の魔法なんだけど、今の魔力では使いこなすのは厳しい!

「どうですか、この視界が隠れてしまうほどの猛吹雪は!
寒さで凍りついてしまう前に、潔く負けを認め……って、
ホントに凍えるくらいに寒いんだけどなんなのこれー!!」

ふぅ、どうにか風の魔法は操れて良かった。
吹雪を風で取り込んで、風の壁で亜佑美ちゃんの四方を囲んだから、
今その猛吹雪を一身に浴びているのは亜佑美ちゃんだけ。

「もうダメ! このままじゃ寒すぎて風邪ひいちゃうし!
もう私の負けでいいから早くこの寒さをどうにかしてー!!」

いや、自分が出した魔法なんだから自分ですぐに消せるはずじゃ……。
でも、ある意味とっても強敵だったかも。亜佑美ちゃんがおバカだから良かったけど。
うちもまだまだ精進が必要じゃね。



川* ^_〉^)<というのがまさが見た2人の戦いでした

从*・ 。.・)<ふーん、その石田って友達もなかなか面白い娘なの

ハ;o´ 。`ル(今の全部まーちゃんの大ボラなんだけど……。でもあゆみんだからいっか)


(おしまい)

 

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最終更新:2015年01月22日 19:05