子供2人のお守りがこんなにキツイとは思わなかった。
春菜は一人掛けのソファーに深く身体を沈めると、静かにため息をついた。
遥と優樹は、遊び疲れてソファーベッドで仲良く並んでお昼寝している。
春菜も2人につられるように、そのまま微睡みの世界に引き込まれていった。
目の前に誰かの気配を感じ、春菜はうっすらと目を開ける。
そこに立っていたのは優樹だった。上気した顔で春菜の顔をジッと見つめる優樹。
そしておもむろに春菜の膝の上にまたがると、そのまま覆いかかるように抱きついてきた。
「ま、まーちゃん!?」
「寝ているはるにゃんこの顔を見てたら、胸がドキドキして、なんか我慢できなくって……」
春菜のシンプルボディをギュッと抱きしめ、腰をグイグイと押し付ける優樹。
突然の出来事に頭がついていかず固まる春菜。
チラリとソファーベットを窺うと、遥はまったく気づかぬ様子で爆睡している。
このままじゃいけない。でも一体私はどうすれば?
優樹の荒い息遣いと、本能のままに腰を振る姿に春菜の胸も高鳴り、
いつしか優樹に対して愛おしさのような感情が湧き上がってくる。
そして、春菜はついに。
その豊富な知識の中から、ある情報を導き出した。
【マウンティング】
相手に馬乗りになり腰を振る行為。犬を始め動物の中で比較的多く見られる示威行為の一つで、
乗った相手に対し自分の立場が上であるとアピールする。オスメスの区別なく行われる。
ノハ;゚ ゥ ゚)<つまり私は今、まーちゃんに下に見られてるってこと!?
(おしまい)