春 ○ 小 ● 住 ○ 久 ●
靄 ● 娃 ○ 居 ○ 遠 ●
待 ● 依 ○ 不 ● 如 ○
空 ○ 幻 ● 穏 ● 冥 ○
乾 ◎ 影 ● 安 ◎ 闇 ●
<詩題> 唯希蒼空
<韻目> 「寒」韻
<中国語読み>
jiu(3) yuan(3) ru(2) ming(2) an(4)
zhu(4) ju(1) bu(4) wen(3) an(1)
xiao(3) wa(2) yi(1) huan(4) ying(3)
chun(1) ai(3) dai(4) kong(1) gan(1)
※( )内数字は現代中国語の四声であるので 平仄とは必ずしも一致していません
<書き下し>
久遠(きゅうえん) 冥闇(めいあん)のごとく
住居 穏安ならず
小娃(しょうあい) 幻影に依り
春靄(しゅんあい) 空の乾くを待つ
<直訳>
永遠は暗闇のようであり、
住処は、穏やかで安んずる場所ではない。
一人の美しい少女は幻影に依存し、
春のもやは空が乾くのを待っている。
<意訳>
いつまでも続く孤独は底知れぬ闇のようで、
心安らぐ居場所などどこにもなかった。
それ故、久住小春は自身の作る幻に縋り、いつしか自らの本当の姿さえも偽って虚像化し 強がっていた。
だが、実体がなく儚いその春霞のような存在は、本当は心の中に降る雨が止み そこに蒼空が広がる日を誰よりも切望している。
最終更新:2014年01月17日 18:06