半分エスパー
登場人物
高橋愛・・・・・・・高橋愛
新垣里沙・・・・・・新垣里沙
久住小春・・・・・・久住小春
中澤ゆう子・・・・・中澤裕子
マネージャー・・・・中澤裕子(2役)
パーカー教授・・・・リチャード・ギア
メインタイトル『半分エスパー』
○国立エスパー研究所(こくえけん)
廊下。
新垣里沙と中澤裕子が歩いている。
テロップ『1:30P.M.』
二人は突き当りの扉の前で立ち止まる。
里沙 「一体どうしたっていうんですか?こんなとこまで」
ゆう子 「えらい事になったのよ。…ところでアンタここが誰の部屋か分かる?」
里沙 「そりゃ、まあ…書いてますから」
扉に表札「半分エスパーの部屋」
里沙 「何です?半分エスパーって」
ゆう子 「その名の通り半分だけエスパー」
里沙 「(顔の前に手をかざし)ここからこっちだけエスパー?」
ゆう子 「ちゃうわ!何で体の半分だけなのよ!
半分エスパーとはアンタや私みたいな一人前のエスパーとは違ってまだ社会に出てはいけないエスパーの事を言うのよ」
里沙 「半人前ってことですか」
ゆう子 「半人前といってもそのパワーは絶大!甘く見てんじゃないわよ!」
ゆう子が扉を開ける。
扉の向こうにある筈の部屋が綺麗に消し飛び、外の景色が見える。
呆然とする里沙。
ゆう子 「どんなもんじゃい!」
里沙 「じゃい…?」
ゆう子 「半分エスパーが超能力で部屋をブッ飛ばしてどっかに行ってもうた!
新垣里沙!アンタの任務は半分エスパーを一刻も早く探し出してここへ連れ帰る事!
さもなくばクビ!私もアンタもクビ!路頭に迷う!」
里沙 「…えらいこっちゃ」
テロップ『第一話 半分エスパーを追え!』
○コンサート会場楽屋裏
公演を終えた久住小春がスタッフに挨拶をしている。
テロップ『2:00P.M.』
そこにマネージャーが携帯電話を片手に駆け寄ってくる。
マネ 「小春ちゃん、電話」
小春 「誰からです?」
マネ 「それが名乗らないのよ。それに何かおかしな事を口走ってるんだけど、切ろうか?」
小春 「おかしな事?何です」
マネ 「私は小春の相方だから早く代われって」
小春 「新垣さんだ」
マネージャーから携帯をひったくる。
小春 「もしもし新垣さん?どうしました」
里沙の声「小春?大変な事になったの。手を貸して!私こくえけんクビになるかもしんない」
小春 「何があったんです?」
里沙の声「半分エスパーが行方不明になったの」
小春 「半分エスパー…?それって(手を顔の前にかざす)」
里沙の声「違うわよ!何で体の半分だけなのよ!」
小春 「何で分かったんですか。エスパーですか」
○喫茶店
コーヒーを淹れる高橋愛。
テロップ『喫茶リゾナント 2:30P.M.』
突然電話が鳴る。受話器を取る愛。
愛 「毎度ありがとうございます。まごころと笑顔の喫茶リゾ…何ですって?
…分かりました。…ええ、何とかやってみます」
愛が電話を切り外へ出ようとした所、喫茶店のドアが開かれる。
愛 「ごめんなさい!今からちょっと出かけるんです!」
と、言って愛は客の横をすり抜け外に駆けだして行く。
途中で立ち止まり、振り向く。
愛 「スイマセン!よかったら、お留守番頼めませんか?」
パーカー「(無言で親指を立てる)」
笑顔で走り去っていく愛。
それを見つめるパーカー教授。
○喫茶店内
律儀に店番をするパーカー教授。
テロップ『3:00P.M.』
どこなく寂しそう。
パーカー「(ため息)」
喫茶店のドアが開かれる。
その音に気付き振り向くパーカー教授。
パーカー「イラッシャイマセ…!」
驚愕の表情のパーカー教授。
テロップ『続く』
END
最終更新:2014年01月18日 11:57