帰ってきた!? フラン(伊)とゴリラの大冒険!! 第2話『vsバーナイト&メカ米ット』



「ありがとうメカ米ット君。次はそっちの要撃爆撃機を荷馬車に――」「メカメカ」
「おや、ゴリラさんゴリラさん。あちらで何かやっていますね」「ウホウホ」
校舎裏にやってきたフランとゴリラを出迎えたのは大荷物の山と三つの動く影でした。

人違いで危うくサイバネクローの餌食になりかけたのがつい先程。
無事に誤解をといて、似た悩みを持つ者同士と、襲撃者の蟹ちゃんと仲良くなって、また別れ。
髪に桜のエフェクトでも付ければ人違いもないでしょうかとフランチェスコがマタンゴリラに語っていたときのことでした。

「もしかしたら何か困っているかもしれません」
「ウホウホ」
「ちょっと様子を見にいきましょう」

寂しそうだった新たな出会い人の背中と、ちょっぴりの自分の寂しさをないまぜにして。
フランチェスコは心の中で蟹ちゃんに約束した皆を元気づけるという目標を果たそうと。
好奇心で足取りを軽くさせながら、大荷物の山へと向かったのでした。



「僕は購買でアルバイトをしているセント・バーナイト。こちらは手伝ってくれているメカ米ット」
「メカメカ」
「おお、ゴリラさんと同じ職場の方でしたか」

影の正体はハルマゲドンで生徒会陣営として闘う魔人の一角であるセント・バーナイトでした。
それと、彼に付き従って荷馬車を引く馬、セント・バーナード。
そして、頭上からなにかすごい光を放っているメカニカルな少年のメカ米ットでした。

「フランチェスコはコロッセオを持ち運べるのか。すごいね」
「この能力、凄いですよねぇ。あ、はい、物資の運搬でしたら私もゴリラさんも協力しますから」
「いざとなったら頼もうかな」

挨拶を済ませて何をしているのか訊いてみたところ、ハルマゲドンに備えて武器を運んでいるとの回答。
なるほどと相槌を打ったのは質問をしたフランとゴリラ。手伝いをありがとうとはバーナイト。
こうしてフランとゴリラはバーナイトとメカ米ットを手伝いながら、生徒会室へと向かうことになったのでした。



「ウホウホ」
「メカメカ」
「ワンッ!」

道中、ブレーメンの音楽隊かと思うくらいに賑やかな面々と並びつつもフランチェスコはバーナイトの話を聞きました。
汚い金持ちによる暴虐、冷たい世間、辛い日々……涙無しには語れない人生をバーナイトは語りました。
ハルマゲドンに参加して、汚い金持ちへの復讐を遂げようという胸の内も吐き出されたものの一つでした。

「……厳しい道を歩いてきたのですねぇ」
「ウホウホ」
「でも希望崎の皆と一緒にいるのは楽しいし、今度のハルマゲドンには……汚い金持ちも参戦するみたいだしね」

想いを語るバーナイトの顔は鉄仮面に覆われて窺えませんでしたが、その声には確かな熱さが篭っていました。
「メカメカ」とメカ米ットが荷馬車を後ろから押して、「ワン!」と馬がいななきました。
フランチェスコは「頑張りましょう!」と言い、マタンゴリラが「ウホウホ」と締めました。



「でも」
「どうしました?」
もうすぐ生徒会室という場所までやってきたとき、バーナイトが呟きました。

「今は復讐よりも、皆と一緒に賑やかに過ごしたいから闘うのかなって思う」
ほんの少し前に復讐心を語った口から思わぬ言葉がこぼれて、フランチェスコは立ち止まりました。
「楽しい時間をくれた皆を守らなくちゃならないから」バーナイトも立ち止まって、力強く言いました。

「よく言った! その方がお前の性に合っているさ!」メカ米ットがバーナイトの肩を叩きました。
「喋れたんですか」金属同士のぶつかる小気味良い音の陰でぽつりとフランチェスコが呟きました。
「いつも君に助けられているしね」バーナイトがメカ米ットに言いました。その声は笑って聞こえました。

「では、これより正式に皆様を応援させて頂きますね」「ウホウホ」
生徒会室の扉を前にして、フランとゴリラはバーナイトとメカ米ットに言いました。
「やっぱり、復讐よりもそっちの方が応援のし甲斐がありますしね」



こうしてフラン(伊)とゴリラはバーナイトとその愛馬、そしてメカ米ットと円陣を組んで言ったのでした。



「賑やかそ―ぜ!」――と。

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最終更新:2014年04月15日 20:28