■たたかえ蟹ちゃんシリーズ■第9話☆カニパン危機一髪■


希望崎学園に最近出没する謎のサイバネ少女。やたらと好戦的で危険きわまりない。さいわいなことに、それほど強くないので死者はまだ出ていないが、巨大アームのサイバネ破壊力による物的被害は甚大だ。学園の制服を着ているが、どうやら学外の者らしい。1

俺の名は紅石密義。通称ヨッシー。時空を超えてあらゆる人物のパンツを把握できる能力『アンダーワールド・ドミネイター』の使い手だ。サイバネ少女の脅威を重くみた生徒会の依頼で、これから奴のパンツを視てそこから正体をプロファイリングする。2

アカシックレコード接続。検索対象『サイバネ少女、通称:蟹ちゃん』。……うーむ、指定が曖昧で時間がかかるな。お、視えてきたぞ。ふむ、これはなかなか。色はホワイト……素材はシルク……高級品だな……意外にも落ち着いた上品なデザイン……。…………! このパンツは! いや、まさか! 3

(……ふう。プロファイリング……完了。なんということだ。奴の……サイバネ少女の正体は……)ドゴォーン! その時、天井をぶち破り『奴』が降ってきた。「コソコソ私の事を調べてやがるのはてめェかァーッ!? 変態野郎め! ブッ殺す!」巨大なサイバネ腕が唸りを上げる! 4

「ギャァーッ!」突然現れたサイバネ少女の豪腕に殴られて吹っ飛ぶヨッシー! 書架に激突破壊! 大量の本が崩れ落ち下敷きに!「グッ……そんな馬鹿な……。俺の『ドミネイター』は相手に一切干渉せず調査できる最強の諜報能力なのに……なぜ……なぜバレた……?」5

「ククク……冥土の土産に教えてやる。私は何でもお見通しなのさ!」本人も理解してなくて特に何も教えてない! 真の理由はサイバネ少女がサンシタだからである。サンシタとは、作劇上御都合主義が実体化した存在! ゆえに全てを自在に知ることができ、全てを自在に見落とすことができるのだ! 6

「ん、これは……?」少女のサンシタ眼力は、ゴミ箱に捨てられたティッシュを発見した。そのティッシュに包まれた物が何なのかを理解し、サイバネ少女の顔が羞恥と憤怒で真っ赤に染まる!「てッ、てめェ! 私のパンツをオカズにしやがったな!」「それはっ、分析のため賢者モードに入る必要が……」7

「死ねェーッ!」「ウギャァーッ!」「死ねェーッ!」「ウギャァーッ!」「死ねェーッ!」「ウギャァーッ!」「死ねェーッ!」「ウギャァーッ!」「死ねェーッ!」「ウギャァーッ!」「死ねェーッ!」「ウギャァーッ!」「死ねェーッ!」「ウギャァーッ!」8

「ハァッ、ハアッ……てめェは何度殺しても全然足りねェが……残念だけど利用価値があるから生かしておいてやる……」サイバネ少女は悔しそうに言った。「だが、二度と私の正体を詮索するな。そして、ハジメ兄さんの招集には必ず来い」「はい、わかりました……」10

ヤッター! サイバネ少女の大勝利だ! やったね蟹ちゃん! 家族が増えるよ! かくしてコスト1.5のパンツ完全視能力者、紅石密義は二四四(さんした・よっしー)という名前を授かり、二一(さんした・はじめ)の手駒となったのだった。11

■第9話☆カニパン危機一髪!■ おわり


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最終更新:2014年04月18日 20:54