こちらは、チョロQRPGの小ネタを置くページです。

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●開発者、杉森哲郎氏のインタビュー記事

チョロQRPGの制作に携わっていた杉森哲郎氏のインタビュー記事がGpara(ジーパラ)にて掲載されています。
【クリエイターズファイル】「純粋な気持ちから生まれる情熱が大切」杉森哲郎さん/ゲーム情報ポータル:ジーパラドットコム [!]リンク切れ
リンク切れが発生して当該記事が読めなくまりましたので、バックアップから引用いたします。
第238回
ミューズ
杉森哲郎さん

 今回のクリエイターズファイルのゲストは、『ドラゴンクエスト』を題材にしたカードゲーム、業務用(以下AC)『ザ・メイズ・オブ・ザ・キングス』などの作品に携ってこられたミューズの杉森哲郎さんです。
学校を卒業後、すぐに就職しなかったという杉森さん。
そんな杉森さんが、ゲーム業界で働くきっかけになった出来事は友達の結婚式で偶然知り合ったある人物と意気投合したからだとか。
果たして、その人物とはどなただったのでしょうか。
それでは、早速お話を伺っていきましょう。

Q1.
最初に、これまでの職歴、現在携わっているお仕事を教えてください。
また、杉森さんが現在のお仕事に就く決心をしたのはいつ頃、どんなことがきっかけでしたか?

杉森氏:
 最初に就職したエニックス(現スクウェア・エニックス)では、『ドラゴンクエスト』のカードゲームや、ボードゲームの企画・制作を担当してました。
福嶋社長(現名誉会長)が、「子供たちに本格的なテーブル・ゲームを提供したい」という考えを持っていらっしゃったので、世界中のありとあらゆるゲームを収集して研究しました。
 当時、製品化の前には必ず『ドラゴンクエスト』のプロデューサー・千田幸信さん、シナリオ・ゲームデザインの堀井雄二さん、製作の中村光一さんに試作品をテストプレイしていただいて、全員から合格点をもらわないとダメなんです。
いつも白熱していましたよ。プレゼンなのに、みなさん本気で勝ちに来ますからね(笑)。
 その後、クレイジーゲームに移籍して、ドリームキャスト用『イルブリード』、AC『ザ・メイズ・オブ・ザ・キングス』のディレクションとシナリオを担当しました。
現在のミューズを設立してからは、iアプリの『チョロQ RPG』シリーズのディレクション、シナリオなどを手掛けました。
会社としては、グラフィックのスタッフたちが、さまざまなゲーム、TV、CM、アニメなどのCGをお手伝いさせていただいています。
 この業界に入ったきっかけですか?
学校を卒業したあと、就職もせずにぶらぶらしてたとき、ある方の結婚式の2次会で、たまたま隣にいたエニックスの方と意気投合しまして、翌週には出勤していました。
つまり“成り行き”ですね(笑)。
 そのときスカウトしてくださったのが、ファミコン版『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』、セガサターン『ダークセイバー』や『ブルースティンガー』等で活躍された西垣伸哉さんです。
一昨年、惜しくも急逝されてしまいましたが、意表をつく奇抜な発想力は常に刺激的で、僕の師匠でもある人です。
 西垣さんの思い出といえば、社員旅行でラスベガスに行ったときのことです。
マジックショップでシルクハットを購入してたんですが、帰国して「今からこれでみんなを驚かすぞ」って、わくわくしながらマニュアルを読んだら、「別途、ハトを購入してください」と書いてあり凍りついていました。
…そんな楽しい方でした。

Q2.
前回ご登場いただいた、大堀さんとのお付き合いの中で、面白いエピソードなどがありましたらお聞かせ下さい。

杉森氏:
 2年半ほど前の2003年頃、長いこと激務がつづいたので「しばらくのんびり過ごそう」と思ったときがありました。
その矢先です。どこで聞きつけたか、突然、大堀さんからメールが来たんです。
「ヒマなら話がある」って。とりあえず行ってみると、いきなり新作ゲームの企画書がドサッ!
そのまま深夜まで打ち合わせ。休む暇もなく、戦場に引き戻されました…(笑)。
 それがiアプリの『チョロQ RPG』なんですが、意気の合ったとても楽しいチームでしたよ。
終わると「またやりたいですね!」という感じで、結局シリーズを3本制作しました。
 それ以降、大堀さんには何かとコキ使っていただいてます(笑)。

Q3.
これまで、自分の仕事に影響を与えた出来事、大きな転機となった出来事などはありましたでしょうか。
また、自分がプレイしたことのあるゲームの中で、「名作」と呼ぶべきゲーム作品を1タイトル挙げるとすれば何ですか?

杉森氏:
 原始時代のような古い話なのですが、FM7というパソコンで、はじめて『ポートピア連続殺人事件』をプレイしたことに大きな影響を受けました。
物語の途中で、丘の頂上の木に首吊り死体がぶら下がっている…、という場面があったんですよ。
夕暮れなのか、紫色のシルエットかなにかになっていて。
これがもう、怖いのなんのって。衝撃的なビジュアルです(笑)。
当時のドット画ですから、ほんとにシンプルな映像なんですが、そのとき、文学や映画にも劣らない、コンピューターゲームならではの表現力の可能性を直感したんです。
さすが、その後ドット画で壮大なドラマを構築することになる堀井さんの作品ですね。
今、CGの新しい表現を模索しながら映像作品の企画を練ったりしていますが、原点はあの首吊り死体です(笑)。
 もうひとつは『MYST』です。CGによる映像表現への興味が、これで確定的になりました。
 名作を1つなんてムリです! 3つ挙げさせてください(笑)。
『風来のシレン』(以下『シレン』)、『いただきストリート』(以下『いたスト』)、『ゼルダの伝説 時のオカリナ』(以下『時のオカリナ』)です。
『シレン』は面白くて、本当に1,000回遊びました。
ただ、特にイベントとかはなかったので、クリア時に「えらいっ」くらい言ってほしかったですね。
『たけしの挑戦状』みたいに(笑)。
『いたスト』は延々とゴールせずに、所持金が1,000万GOLDを超えるまでやり込みました。
止まった土地は片っ端から5倍買い。
アメリカ大陸マップでそれをやると、NPCがみんなハワイに行っちゃうんですよね。何故でしょうか(笑)。
『時のオカリナ』は、言わずと知れたゲーム史上の最高傑作。
精緻(せいち)を極めた驚嘆のゲーム性とそのバランスはもちろんですが、『MYST』と並んで、映画と張り合える世界観と映像表現を備えた数少ないゲームのひとつだと思います。
それが更に炸裂した『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』も素晴らしかった。
う~ん、『ムジュラ』は、ぜひ3DCGでアニメ化したいですね。

Q4.
これまで杉森さんが携わってきた作品の中で、特に思い入れが深い作品をいくつか挙げてください。
また、これまでのお仕事の中で、“これは良い”と感じたアイディアが浮かんだ瞬間は、どんなときでしたか?

杉森氏:
 ドリームキャスト用『イルブリード』製作時のエピソードなのですが、この作品ではアメリカ人の声優さんを起用してまして、サンディエゴのスタジオで収録したんです。
 日本のスタジオですと、必ずお菓子なんかが常備されていますが、むこうは半端じゃなかったですね。
物凄い量のサンドイッチ。ああいう状態のサンドイッチは、見たことがないですね。「山」になってるんですよ。
収録は連日12時間に及んだんですが、いつも帰る頃にはきれいになくなってる。
その回りには、何十個というジュースの空き缶。さすが、ダイエットに天ぷらそばを食べるお国柄ですね(笑)。
 この作品は、カルト度の高いホラー物なんですが、老練なベテラン声優さんに「奇声を発しながら、もがいてください」とか、バカみたいな演技をつぎつぎ要求していたんですよ。
そうしたら、横にいた現地のディレクターに「あの方、NASA専属の声優なのよ」って言われたんです。
「これは怒ってるんじゃないか…?!」と思い、慌てて謝りにいったら、「愉快だよ!」と言って小躍りしてくれました。
後半、ノリがどんどん暴走していって、絶命の場面の収録では、本当に倒れて壁に後頭部を強打してました(笑)。
よくわかりませんが、アメリカ人だな…、という感じですね。
 アイディアがよく浮かぶのは風呂と便所にいるときですね。
頭の中がシンプルに整理できる、からかどうかわかりませんけど。
ただ、風呂に入ればいいっていうわけじゃないですよ。
それまでにイヤになるほど考えて、行き詰って、混乱して、訳がわからなくなって、その上でジャーッ! とシャワーを浴びる。
すると、奇跡かなにかのように目の前に映像が現われたりします。
ただ、それを期待してわざと入ってもダメなんです。
もっと確実な良いアイディアを生み出す術があったら知りたいですね。
毎回このコーナーを読んで、いろんな方の発想法をチェックさせていただきます(笑)。

Q5.
「こんなゲームで遊んでみたい」など、今後のゲーム・エンタテイメント業界におけるご自身の展望や、業界全体への希望、今後挑戦したいことなどをお聞かせ下さい。
そして最後に、今後ゲーム業界を目指している読者へ向けて、作品作りにおいて一番大切だと思うこと、作品を世に送り出すにあたって心がけていることをお聞かせ下さい。

杉森氏:
 3DCGの技術がこれだけ進化しているので、アクションっぽいゲームばかりでなく、映像でスリルやサスペンスを強烈に感じさせるミステリー風のゲームがやってみたいですね。
ただ暗くて不気味というだけじゃないもの。
例えば、ヒッチコック映画やスピルバーグの「激突!」なんかで、白昼の恐怖を感じさせる映像が出てきますよね。
じわじわとサスペンスを積み重ねてから一瞬でショックを与える、というあの感じ。
 『MYST』がそんなテイストでしたけど、その後ああいうゲームをあまり見かけなくなってしまった。
誰か作ってくれませんかねえ…。
 個人的な挑戦になってしまうのですが、『役満DS』のランキング対戦で、自分以外のキャラ全員を0点に出来るかどうかにトライしいます。
もう半荘600回以上やってますが、全然ムリ。
こちらの“可能性”は無さそうですね(笑)。
 ゲーム作りに大切にしているのは「純粋」であることだと思います。
昔、藤子・F・不二雄さんが東南アジアの子どもたちの質問に答える、というイベントをテレビで見たときのことです。
「どうしてポケットからいろんな道具が出てくるんですか?」などの素朴な質問に真剣に答える藤子さんの姿に感動し、「純粋」であることの大切さを思い知らされました。
 「純粋」でいることは意識してできるものではないですが、少なくとも、「小手先のマーケティングから導き出した企画や作品は人の心を揺さぶらない」ということは言えるんじゃないでしょうか。
やはりパッションが無いと。
僕は、読者のみなさんにメッセージするほど偉くないので、これは自分自身に常に言い聞かせていること、なんですけどね。

ゲームに対する純粋な気持ちから生まれる情熱を持って作った作品が人を感動させる作品になるとおっしゃる杉森さん。
「遊ぶ人を楽しませたい」という純粋な気持ちがこもったゲームだからこそ、いつまでも楽しまれる名作となっていくのでしょう。
まだまだたくさんのお話をお伺いしたいところですが今回はここまでです。
※この記事は2006/08/07に掲載されました。

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