つんくと対峙するさゆみの元に、衣梨奈とさくら、
さらに春菜、亜佑美、優樹、遥の面々が合流し、ついに役者が全員揃った。
「随分と人数を増やしたなぁ。これはさすがの俺もピンチかもしれんで」
口にした内容とは真逆の、まったく危機感がないトーンでうそぶくつんく。
そして次の一言で、一同に衝撃が走る。
「それじゃあ、俺の方も援軍を呼ばしてもらおか。キララ、モモヒメ、降りといで」
眩い光とともに上空の雲から虹色の階段が架かり、
小走りで少女が２人、満面の笑みを湛えながら駆け下りてきた。
「この２人はな、俺の秘蔵っ娘ってヤツや。だからな……」
つんくの隣にちょこんと収まった少女――いや小柄で幼さの残る肢体は
明らかに中学生にも満たず、童女という表現の方が適切かもしれない――に目をやり、
つんくがニヤリと不快な笑みを浮かべる。
「なあ道重、この２人の姫をお前のところで預かってくれんか」
あまりに唐突すぎる提案に、周囲が騒めく。
「もちろん預かってくれたらその後は何の口出しもせえへん。
２人のことは道重が煮るなり焼くなり好きにしたってや。
あと勘違いせんでほしいのは、これは師匠からの強制とかそんなんやないからな。
この２人がお前のことを尊敬していてどうしても側にいたいって言うてきかへんから、
弟子の願いを叶えてやりたい親心の産物やで」
「はい！ 私、ずっと前から道重さんが本当に大好きだったんです！」
「私も、道重さんと一緒にいられるのなら、何をされてもいいと覚悟はできてます……」
目をキラキラと輝かせながらさゆみにアピールする２人の姿を満足げに眺めながら、
つんくがついに核心に迫る。
「まあそんなわけやからな。
この２人を道重に預かってもらう代わりに、
こっちも譜久村と鈴木をちょこっとだけ預からせてもらう。
そんな感じで手を打ってもらえんか」
『もしわしの味方になれば、世界の半分をお前にやろう』
最終決戦を前にして提示される竜王からの甘言。
春菜の脳裏にまず思い浮かんだのはそのフレーズだった。
熟考するまでもなくこんなのは罠に決まっている。
道重さんがそんな馬鹿な話に乗るわけがない。
だが、春菜の思いはあっさりと裏切られることとなる。
「そこまでのことを言われちゃ、承諾しないわけにはいかないの」
決め顔を作ろうとして失敗し、明らかにだらしなくヤニ下がったその表情に、
さゆみがあっけなく陥落したことをみんな否が応でも悟らざるを得なかった。
「そ、そんな！ 道重さんばかりズルいです！！」
聖が抗議の声を上げるのも当然ではあったが、その方向性がおかしいことにまで
気づけるほどの思考力を残していた者が、その場にどれだけいたことか。
少なくとも、つんくだけはしっかりそれを認識し、その隙を逃すことはなかった。
「譜久村もそんな羨ましがらんでも、無事魔道士になれたら
俺からご祝儀として弟子の1人や２人預けてやるからな。
いやそんなことせんでも、魔道士になれれば自分の好きな時に
ｶﾒｲやﾂｸﾞﾅｶﾞに簡単に会いに行けるだけの力を身に着けられるんやで」
その一言が決定打だった。
「わかりました！ 聖、魔道士になります！！
香音ちゃんも聖の意思に従うって言ってくれたからそれでいいよね！！」
「う、うん……」
聖の勢いに圧倒されて思わず頷いてしまう香音。
「よしこれで商談成立や。
当事者が決心したんやから、部外者がこれ以上口出しする権利もないわな。
キララもモモヒメも、これからは道重の言うことをちゃんと聞いていい子にしてるんやで」
「「「はーい！！」」
元気な返事とともに、２人はさゆみの元に駆け寄って嬉しそうに抱きつく。
少女の身体の感触を堪能しながら鼻の下を伸ばすさゆみ。
魔道士になった後のことを、恍惚とした表情で今からドップリ妄想に浸る聖。
それを楽しげに見やるつんくの高笑いが、島全体を覆い尽くした。
…
…
…
…
…
从*･ ｡.･）＜今後はこんな展開でもいいと思うの
ノﾉ∮‘ _l‘）＜聖にも異存ありませんわ
|||9|#‘_ゝ‘) ﾉﾘ#´ｰ´ﾘ从#´◇｀) ﾉﾊ#ﾟ ゥ ﾟ）川#c ’∀’) 川# ^_〉^)ﾊ#o´ ｡｀ﾙﾉﾊ#´’v’ｿ＜いいわけないだろ！！
（おしまい）
※参考
ハロプロ研修生に5名の新メンバーが加入しました！
野口 胡桃（のぐち くるみ）
小野 琴己（おの ことみ）
児玉 咲子（こだま さきこ）
米村 姫良々（よねむら きらら）
清野 桃々姫（きよの ももひめ）
http://www.helloproject.com/news/4162/
