「でもま、真面目すぎるからダメなんじゃない?
人の気持ちを一つにするなんて難しいよ。ましてや、自分勝手な魔道士を纏めるなんてね。
もっと遊び心があったほうが楽しいでしょ。協会だって今日明日無くなるわけじゃないんだから、ドンと構えなさい」
「遊び心、ですか…」
「そ。あんたが本当に退くんなら、後任はもっと不真面目なのにしなさい。執行局の局長なんて最悪ね」
魔道士協会会長は考えた。
「遊び心」があり「不真面目」。一番最適なのは誰だろう。
クソ真面目で頭が固い会長が悩みに悩んだ挙句、ついに決断を下す。
「新しい会長を発表する。その人物は……」
「佐藤優樹!!!!」
「いえーい! まさが大将!!」
そして魔道士協会は、その後ひと月も保たずに崩壊した。
(おしまい)