私の魅力に 気付かない鈍感な人


まりあが横から思いっきり抱きつくと、尾形ちゃんはわざとらしく顔を顰めた。
そんなことを気にもせずそのままの勢いでほっぺにチューしたら、
尾形ちゃんはいかにも嫌そうな顔でまるで変顔をしてるようになっちゃった。

これが尾形ちゃんとまりあの関係。

でも今はこれでいいんだ。
尾形ちゃんが本気で嫌がってるわけじゃないことくらいまりあもよくわかってるし、
それに、まりあは尾形ちゃんのことが大大大好きなんだから!!!



「このツアーの間に、尾形ちゃんと仲良くなる!!」

なんて宣言をしたのは、去年の春ツアーのこと。
積極的に尾形ちゃんとお話しする機会も作って、
確かに加入当初よりはずっと仲良くなれたと思う。

でも、尾形ちゃんがまりあに接する時の態度は、
野中ちゃんやあかねちんが相手の時とはなんか違うんだ。
なんというか、よそよそしいってまではいかなくても、
普通に話してるだけならいいけど、それ以上は近づかせない見えない壁があるというか……。

同じ同期なのに、なんで尾形ちゃんの態度が違うんだろう。
尾形ちゃんはまりあのこと嫌いなのかな。


周りからはいつも元気で明るく楽しく笑ってるイメージのまりあだけど、
こんなまりあでも落ち込むことだってある。

尾形ちゃんに嫌われてるんじゃないかと思うと悲しくなって、
誰もいない更衣室の隅でこっそり泣いてたら、
そんなまりあに気づいて優しく声をかけてくれたのが、飯窪さんだった。

何があったのか聞かれたまりあが、泣きながら尾形ちゃんのことを話すと、
飯窪さんは気のせいかちょっと楽しそうな声音でこんなことを言ってきた。

「なるほどねぇ。念のため確認するけど、まりあは尾形ちゃんのことが好きなの?」

「もちろんっ!!
どうせみんなに同じこと言ってんだろとかいつもツッコまれるけど、
まりあは本当に尾形ちゃんのことが大大大好きなんですから!!!!」

涙声のまま半分ヤケになって大声でそんなことを叫ぶと、
飯窪さんは苦笑いで「わかったわかった」とまりあの肩を軽くポンポンとしてくれた。

「まりあは尾形ちゃんのことが大好きなのに、
尾形ちゃんはまりあにそっけない態度を取ってるのね。
でもそれって本当に、尾形ちゃんがまりあのことを嫌いだからなのかな?」

「えっ?」

「気になっている相手には、他の人と同じような態度で接することができず
ついついそっけなくしたりよそよそしくなったりしちゃう。
恋愛の初期段階ではそういうのってよくあることだよね。
私がよく読んでるラブコメ漫画なんかでも定番だし、
身近なところではあゆみんの小田氏に対する態度なんかいかにもそんな感じでしょ?」

まったく思いもしなかった指摘に、ビックリしすぎてまりあの涙も止まっちゃいまりあ。


「じゃあ、もしかして尾形ちゃんはまりあのことが……!?」

「好き……かどうかはともかく、気になる存在ってのはあるかも」

尾形ちゃんがまりあのことを気にしてくれてる!?
そんなことを想像しただけで一気にテンションが上がって、
喜びのあまり「やったー!!」とバンザイをしながら飛び跳ねてたら、
飯窪さんから一転して冷たい一言が。

「なんて言うのは私の勝手な想像でしかないから、
実際のところ尾形ちゃんがまりあのことをどう思ってるのかはよくわかんないけどね」

「そんなぁ~」

あっさりとハシゴを外されてショックのあまりその場にへたり込むまりあに、
飯窪さんは微笑みながらこんなアドバイスをしてくれた。

「尾形ちゃんの心の内なんて尾形ちゃんにしかわからないけど、
まりあは確かに尾形ちゃんのことが大好きなんだよね。
ならばそれでいいじゃない」

「それでいい……?」

「まりあの強みは、自分がこうだと思ったら周りがどんな反応しようと
おかまいなしで一直線に突き進むところでしょ?
今回のことだって、尾形ちゃんがどう思っていようが関係なしに、いつも通りKYに
『尾形ちゃんのことが好きだ~!』と強気にアピールし続けていけばいいじゃない。
それでこそのまりあだし、いつか尾形ちゃんも心を開いてくれるかもしれないよ」

そうだ! まりあはいつも通りのまりあでいればそれでいいんだ!
だって、まりあが尾形ちゃんのことを大大大大大好きだって気持ちは本物なんだから!!

飯窪さんのおかげで、まりあはようやく落ち込んだ気持ちを吹っ切ることができたんだ。



お日様がサンサンと照り付け、ジリジリとした熱気がまりあ達に襲い掛かってくる。
でもまりあはそんなこと全然平気だった。
だってまりあの横には尾形ちゃんがいるんだもん。

尾形ちゃんと2人で12期日記の収録をして、次の仕事場へと歩いて向かう道中。
2人で肩を並べて歩いてるだけで、まりあは上機嫌だった。
尾形ちゃんは相変わらず楽しいのか楽しくないのかわからない感じで
ヒョウヒョウと歩いてるけど、やっぱりこの暑さには参ってるみたい。

「まりあんぬはホントに元気で羨ましいなぁ」

「うん元気だよまりあは! だって尾形ちゃんが隣にいてくれるんだもん!」

こんなことを言っても、尾形ちゃんは「はいはい」とあっさり流しちゃうんだけど、
それでも全然かまわない。

そこに聞こえてくるどこか懐かしい音楽と、そして漂ってくる美味しそうな匂い。
これは……祭囃子だ!!

「ねえねえこれって!!」

「うん、近くでお祭りをやってるようやな」

「ねえ行ってみようよ、はーちん!!」

尾形ちゃんの手を握るまりあ。
尾形ちゃんは一瞬驚いたような顔をしたけど、軽く笑ってまりあの手を握り返してくれた。
そして2人は、手を繋いだままで祭囃子の聞こえる方へ駆け出していったんだ。


こんな感じで相変わらずの尾形ちゃんとまりあだけど、まりあはまりあらしく、
いつか大大大好きな尾形ちゃんの心を掴めるように、これからも頑張っちゃいまりあ!!


(おしまい)


※参考
https://www.youtube.com/watch?v=a_p3VoahRvE#t=34s

12期な日!尾形春水
http://ameblo.jp/mm-12ki/entry-12189082862.html

暑い中、次のお仕事場所まで歩いてたら賑やかな音といい匂いが。。
そう!夏祭り!!!!
地元の小さなお祭りが開催されてました
ラジオ終わりで一緒に歩いてたまりあんぬと手を繋いで、お祭りの方へ~~
屋台でかき氷とわたがしGET(*´ч`*)

ほんの一瞬やったけど、東京きて初めてのお祭りな気がする??!
暑いからって車とかに頼らずに頑張って歩いた甲斐があったわぁ(ノ´▽`)ノ


『シュレック♡すしパワー♪*゚』 牧野真莉愛
http://ameblo.jp/mm-12ki/entry-12189188587.html

今日は、12期日記の収録がありました。
尾形春水ちゃんとでした

収録が終わって帰りに歩いてたら、お祭りがやってました。
「わー!お祭りだー!」
って、2人で走って行きました

尾形ちゃんはかき氷
まりあはわたがし

おいしかったです。
尾形ちゃんと一緒にお祭り嬉しかったです

尾形ちゃんが一緒に写真撮ってくれました。
尾形ちゃんありがとう

 

抱いてHOLD ON ME  女友達

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最終更新:2016年11月06日 22:12